• ニュース一覧
  • 【アクアマリンふくしま】世界初!バショウカジキとコバンザメのふしぎな関係を解明(Postbox-newsR Provided by Like-s)- 2025.06.14(土) 12:00

【アクアマリンふくしま】世界初!バショウカジキとコバンザメのふしぎな関係を解明

Postbox-newsR Provided by Like-s

2025.06.14(土) 12:00

バショウカジキのエラを出入りするコバンザメのイラスト

アクアマリンふくしまでは、「潮目の海 黒潮水槽」において、外洋に生息するバショウカジキの展示に挑戦しています。2022年の飼育期間中の継続的な行動観察にて、バショウカジキとコバンザメの共生関係を世界で初めて記録しました。この研究が、動物行動学の国際学術誌に掲載されましたのでお知らせします。
※現在展示はしておりません。

■掲載論文
「Symbiotic cleaning relationship between a sailfish (Istiophorus platypterus) and remoras
(Remora osteochir)」 (バショウカジキとヒシコバンのクリーニング行動共生関係)
※2025年5月28日 Journal of Ethology*に掲載
*このジャーナルは、動物(哺乳類、昆虫、魚類など)の行動に関する研究を扱う国際的な学術誌です。
共同研究:南三陸町自然環境活用センター

■経緯と概要
バショウカジキは、外洋を高速で泳ぎ回るため、水族館での飼育が非常に難しい魚として知られています。アクアマリンふくしまでは、開館した2000年から飼育に向けた調査・研究を重ね、2009年に「潮目の海 黒潮水槽」において初めて展示に成功しました。その後も挑戦を続け、2022年に世界最長となる84日間の飼育記録を達成しました。この期間中に、展示水槽内でバショウカジキのエラの中に隠れるコバンザメ(ヒシコバン)を発見し、行動観察を続けました。そして世界で初めて2種の共生関係を明らかにする結果を得ました。これは外洋域での動物同士の共生関係を解明するうえで極めて貴重な成果となり、その結果が動物行動学の国際学術誌に掲載されました。
※展示するバショウカジキは、未利用魚として廃棄されるものを漁師さんから提供してもらっています。

■研究内容のポイント
この行動観察では、バショウカジキがコバンザメの遊泳に合わせて、泳ぐ速度を落とすなどの「クリーニング要求行動」を確認しました。さらに、過去の研究ではコバンザメ類の胃内容物から寄生虫が検出された事例もあり、今回の観察とあわせると、コバンザメがバショウカジキの体表に付いた寄生虫を取り除く「クリーナー」として機能することを示唆しています。また、バショウカジキが自らのエラの中にコバンザメをかくまう様子は、両種の間に明確な共生関係が成立している可能性が示されました。
これまでにも、死亡した魚類のエラの中からコバンザメの仲間が見つかった事例はありましたが、この観察では生きた状態でコバンザメが宿主のエラを出入りする様子が世界で初めて記録されました。このような行動観察は、外洋を泳ぐカジキ類では極めて困難であり、水族館の展示水槽という限定された環境だからこそ観察・記録が可能となった成果です。

バショウカジキの生態解明への第一歩

お問い合わせ

アクアマリンふくしま(公益財団法人ふくしま海洋科学館)
〒971-8101 福島県いわき市小名浜字辰巳町50
TEL 0246-73-2525(開館時間 通常期⇒9:00~17:30 冬季12/1~3/20⇒9:00~17:00)
公式サイト  https://www.aquamarine.or.jp/

■アクアマリンふくしまは、最新情報をSNSで発信中です
Facebook https://www.facebook.com/aquamarinestaff
X(旧Twitter)https://x.com/aquamarinestaff
Instagram https://www.instagram.com/aquamarinestaff/
YouTube https://www.youtube.com/user/aquamarine0715

企業情報 企業情報

Postbox-newsR Provided by Like-s(ニュース配信・ホームページの企画・制作・システム開)

〒 9608254 福島県福島市南沢又河原前11番地 [株式会社ライクス内Web事業部]
TEL : 024-557-8053
ホームページ : http://www.like-s.jp/